静御前の墓 栗橋
秋光を静女之墓のほしいまま
我が丈の高さの枝に赤蜻蛉
香煙の静女の墓や秋涼しい
藤棚の藤の実競ふ静女墓地
てらてらと青トマト五個目を奪ふ
一言神社 栗橋
炎天や鈴の緒古りて白かりき
昼顔や神苑狭まく咲き満ちぬ
神殿の前黒蟻の群走る
神鈴を振る風の中棕櫚は実に
炎天や社の絵馬の揺れ止まず
八坂神社 栗橋
法師蝉鳴き止む神の杜静か
空蝉のひと葉に三つ縋り居り
随臣の見守る神殿涼新た
神苑の風に誘はる秋揚羽
関所跡 栗橋
関所碑に触れ噴く汗を拭ひけり
本陣 栗橋
本陣や涼風を呼ぶしじみ蝶
関所番士屋敷跡 栗橋
二百年経し百日紅紅極む