平成十七年九月十八日
多田神社 小松
芭蕉像白し締りし新松子
髪染める実盛の像冷ましや
薙刀の秋光曇りなき刃先
参拝者に太鼓打てる秋祭
宝物殿実盛甲冷まじや
大鎧の袖の暦日爽やに
建聖寺 小松
木彫なる翁の像の掌にさやか
日吉神社
秋うらら鳥居の朱色空写す
神猿を祀る日吉社秋の声
参拝の鈴の音を振り爽やかに
木の瘤に猿の腰掛けと生え
免橋神社 小松
秋麗随身像の朱色映ゆ
那谷寺 小松
鐘楼に聴く秋蝉の声幽か
秋雲の白き岩山棚引きて
読経の岩屋本殿秋涼し
秋麗足音弾む楓月橋
三重の塔白々と秋の風
秋夕べ仏陀の白毫鮮明に
水の面に正さる秋の山
初紅葉芭蕉歩きし道歩む