平成十五年九月二十七日
蚶満寺 象潟
里松の罅割れ深しそぞろ寒
彫深き十一面観音爽やかに
芭蕉像の真上秋天底知れず
九十九島の要の稲架の乾き居り
溝蕎麦の盛り山門人を見ず
朝風や仁王の肩に秋の塵
昨夜の雨身に入み濡るる六地蔵
閻魔堂の扁額破れ冷まじき
葛の蔓垂れ結界の観音堂
一千体の観音やさし爽やかに
タブ大樹苔白々と秋の声
芭蕉句碑かがみて拝す秋温り
西行桜はやにニ三枚紅葉して
能因島の黒松放つ秋の声
三崎公園 遊佐町
怒濤音ひびく岬の花芒
秋の濤碎く奇岩や鵜の佇てり?
十六羅漢岩 遊佐町
秋天の白雲睨む羅漢像
釣人の一人となりて秋の声
秋日落つ飛鳥光帯ひろげたり
花芒分け入る芭蕉句碑の道
色鳥の二見が浦の窟に入る