奥の細道吟行

5項

静御前の墓 栗橋

  秋光を静女之墓のほしいまま
  我が丈の高さの枝に赤蜻蛉
  香煙の静女の墓や秋涼しい
  藤棚の藤の実競ふ静女墓地

  てらてらと青トマト五個目を奪ふ

一言神社 栗橋

  炎天や鈴の緒古りて白かりき
  昼顔や神苑狭まく咲き満ちぬ
  神殿の前黒蟻の群走る
  神鈴を振る風の中棕櫚は実に

  炎天や社の絵馬の揺れ止まず

八坂神社 栗橋

  法師蝉鳴き止む神の杜静か
  空蝉のひと葉に三つ縋り居り
  随臣の見守る神殿涼新た

  神苑の風に誘はる秋揚羽

関所跡 栗橋

  関所碑に触れ噴く汗を拭ひけり

本陣 栗橋

  本陣や涼風を呼ぶしじみ蝶

関所番士屋敷跡 栗橋

  二百年経し百日紅紅極む

奥の細道吟行一覧へ