奥の細道吟行

49項

・鶴

平成十七年九月十八日

芭蕉の館     山中温泉
 身に入むや芭蕉の短冊墨淡き

鶴山渓         山中温泉
 遠近の渓谷の森風は秋
 きらきらと橋になす赤とんぼ
 渓谷の岩しぶき上げ秋日
 川浴の暗さに炎ゆる赤のまんま
 滝不動びしょ濡れ秋光集めたり
 菊供ふ巌の祠観世音
 大切株茸びっしり盛り上る
 秋水を飲みて一息つきにけり
 風はらむ瀬音に撓む竹の春
 秋風を巻き込み暗き芭蕉堂

全昌寺        加賀
 佇づめば身を揺らしゐる秋の草
 裏山を埋め尽せる秋海棠
 羅漢像の眼光我に冷まじき
 翡翠眼に植えし羅漢や秋涼し
 菊大輪地蔵に咲かせ寺閑か

奥の細道吟行一覧へ