奥の細道吟行

39項

平成十六年七月十七日

村上城跡    村上
豪雨中蝉声重し男坂
夏台風雨溢れ落つ杉大樹
粽笹蝉の逃げ込む大豪雨
夏霧や城壁のみの村上城
夏霧の裾紺碧の日本海
夏草と土の香襲ふ村上城
山百合の山雨に打たれ躍動す
城跡の夏草雨に埋もれたり

弥彦神社  弥彦
かなかなや雨の参道夜気せまる
晩涼や狛犬胸元闇はじく
石段に神燈灯り夜の蝉
山百合のひそと神木照らしけり
荒梅雨や土俵の柱傾きて

長生館    観音寺温泉
爽涼と澄む鳥の声風の音
山脈の雲の去来や爽涼と
ばさばさと清水を鳴らす鯉の群
妻恋し水面に写る百合の花

良寛史料館  分水町
涼風と纏ふ日向の良寛像
簾捲く家紋黄金の里御駕籠
古短冊の青さ目に浸む夏館

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