奥の細道吟行

27項

毛越寺  
        

  紅萩のはやこぼれ咲く毛越寺
 古代蓮水面に遠く花凛と
 秋の朝献香の香のただよへり
 芭蕉句碑読みて桔梗にそっと触れ
 本殿の欄間の彩や秋涼し
 風出で黄に徹したる女郎花
 金色如来影生む秋の燭
 うそ寒や慈覚大師に睨まれし 
  秋蝉の一途に啼ける開山堂 
  大礎石に佇ち総身に秋の風
 白桔梗直視し心正しけり
 秋天を写し遣水幾曲り
  初紅葉遣水の辺を明るくす 
  鐘楼に触れて秋思を払ひけり
 田村草身を曲げてせる深呼吸 
  池の面の色鳥我を空虚にす
 日当らぬ古き祠や秋涼し
  新涼や剥落はげし大師像 
  子の眠り秋爽誘ふ帝母像秋気満つ

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