奥の細道吟行

16項

平成十二年七月二十二日

福島行

 木鶏蕎麦
 夏座敷冷し軍鶏蕎麦旨かりき

医王寺

 シラカシの巨木土蜘蛛群棲ます
 釣鐘の一打吐き出す大暑かな
 本堂の蕗日傘めく大きさよ
 弘法大師菅笠かむる涼さよ
 百日紅観音菩薩へ紅明り
 師のでんと腰掛け涼し翁句碑
 涼しさや義経直重と云う裂地
 宝物殿の甲冑暑き錆を噴く
 杉並木涼風を生む医王寺よ
 杉木立の裾に据りし額の花
 石塔の芯涼風の白くせり
 炎昼や兄弟寄添ふ巨石墓

大鳥城跡

 飛沫秋の山気を満喫す
 秋の滝不動明王雄叫す
 肌寒や荒瀬こだます獣道
 ありがたや霧立つ宝珠地蔵掌に
 秋水を噴く岩壁に草揺れて
 山の橋擬宝珠の苔の冷やかに

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