平成十二年六月十九日
須賀川 安積山行
鏡沼(影沼)
白あやめ沼に一輪慎ましき
影沼の大振り毛虫幹埋む
山法師抜き出し空の真青なる
湿地帯色鮮やかに蛇苺
野萱草朝日に映えて黄の緊まる
閃閃と水音響く蒲蒲園
揚羽蝶黄の色移す樹々の中
可伸庵跡
木洩れ日の涼しき句碑に触れにけり
山風に揺らぐ紫陽花見つめ居り
花栗の匂ひ漂よふ庵跡
栗の花黄金の光雲となる
長松院
庭一面黒く光りぬ桜の実
涼誘ふ新樹の声を聴きにけり
老鶯の声の大杉天を衝く
鐘楼に登り総身涼しかり